5.第三種公務員の創設と、セーフティネットの見直し
さて、今まで基礎教育、高等教育と職業学校。企業の採用基準と労働時間といろいろ考えてきた。
これだけやっても、社会から零れ落ちる人間は必ずいる。
物事を考えるのが苦手。
体力がない。
理解力がない。
50年ほど前までなら、学がなく、頭が悪い人間の行き場所として 農場、軍隊、建設、建築、港湾労働なんてのがあった。
これだけしとけ、という単純作業。数がいれば捗るので問題ない。
ところが重機にITが出てきたことで、単純労働はどんどん姿を消していってしまった。
単純労働は外国で委託されるようになり、軍隊も、とりあえず数をそろえておく、という第二次大戦までの歩兵の扱いとは違い、専門知識と技能が要求されるようになっている。
サービス業も、接客を磨き、品数を増やし、営業時間を延ばしとすることで、バカには勤まらなくなってしまった。
そこで第三種公務員を設立する。
1.年齢不問。資格不問。
2.給与は日払い。ただし最低時給、最低日給の埒外。
3.税金の免除あり、各種公共サービスあり。
うん。国家で運営するドヤ街ってことだね。仕事先は選択でき、単純作業、軽作業などを準備し、提携企業が安く労働させる国家による派遣業になるかな。ただし、通常の派遣と違って国は企業の給与に上乗せして、賃金を払う。
保障、保険も民間より充実させておけば、派遣と食い合うこともなかろう。
細かいことなんかは知らね。俺より頭がいいやつが調整すればいい話だし。
公務員カードを見せれば、住居、食事、娯楽、医療等は官舎を格安利用できる。官舎はそれぞれの地方の過疎地域に準備され、地域の活性化を担う。
官舎は安宿として一般人・外国人にも開放すれば、貧乏旅行も可能だね。
民間で職が足りないのなら、官舎の清掃、見回り、警備、それから介護などを国家負担で担当すればいい。
労働できないと主張するのなら、その旨を医者に申告し障害者登録をすればよい。
住居、食事、簡単な娯楽と若干の補助金が支給される。ただし、個室は小さく、共同生活は不便が多いかもしれない。
そして生活保護は廃止する。だいたい生活保護してもらうんなら、都会に住むとか意味なくね? 安い土地で過ごしてもらうのが筋じゃないかな。
できないもの同士が集まって、助け合って生きる。とはいえ実態はゲットーと大差ないので社会労働主義の亜種にも見えるのが難点。