中世のギルドではどの職種にも、門外不出のテクニックがあった。これによって独占と、素人の手作りを防ぐ意味合いがある。
また地域の領主も税収につながるのだから、そのテクニックを外部に漏らせない。
ヴェネチアングラスを作っていた職人は、島から逃げれば当然死刑になった。残念でもなく当然。
時代はそこから400年下って現在。インターネットの世界で、閉鎖的な職業団体、たとえば手品師がネットで、テレビで種と仕掛けをばらすと同業者から非難される。
「飯の食い上げ」「風上に置けない」「なにしよるん」
独占することで、利を得てきた集団は当然そう言いたくなるだろう。
だが、インターネットの基本は「知の共有」だ。オープンソースのプログラム、パナマ文書の公開もそうだ。アフリカの少年が発電機を自作できるのも、ユーチューバーが小遣い稼ぎできるのも「誰でもアクセスできる自由さがあるから」ではないか。
つまり「古い技術」で独占、利益を得る時代は終わりつつあるのです。
技術は特権階級のもので、その知と情報で荒稼ぎできたのは、
・食料の生産効率が悪く、余裕が民衆になかった。
・教育がいきわたらず、文字を読めない時代が長かった。
・紙に書いた文字は複写に時間がかかったので高価だった。
ドラッグ&ペーストできるネット社会。
レンジで30秒のごはん。
無料の基礎教育が世界に行きわたれば、
そりゃあ、知の囲い込みは無理でしょ。
今後のネット社会が風通しのいいままなのか、それとも”誰か”にとって都合の悪いことが流布するからネットに検閲が入る時代が来るのか。
皆で推移をよく見守る必要がある。