不適合者のジャンクヤード

腑に落ちるか落ちないか、読む人次第。拾い物があればご自由に。

名医にすがりたい患者たち

いろんな病気があるが、どこの病院でも原因がわからないと匙を投げる病気がある。

患者側としては、治るまであちこちの医者をさまようことになる。

 

テレビを見ていて出てきたのが、それを解決する名医とのうたい文句。

従来のやり方では見つからなかった症名をズバリといい当て、患者が殺到する。

高い最新の診療機器を導入。映像で見れば確かにカラフルに色分けされていて、これなら具体的にイメージしやすそうだ。

命にかかわる病気の可能性を、診断してくれると患者は大喜び。

 

一日に診る患者数。250人だそうだ。

 

このテレビを見て症状に悩んでる患者がまた詰めかけるだろう。

医者の方も「〇〇で紹介されました」とテレビや雑誌の名前を待合に張り出す。

 

医者に行く前に割り算くらいしてみようぜ、と思う。

一日8時間。1時間で31.25人。つまり2分で1人診療。

となるとたぶんこうなる。医者にたどり着く前にバカ高い検査をいくつもして、ひたすら待合で待たされて。

やっと診療で見てもらえると思ったら、ちらっと診断結果を見て「じゃあ、次はこの検査をしておきましょうか。念のために」

何度か通って「うん、異常なさそうですね。お大事に」

 

ほとんどの患者は命にかかわる難病なんてことはない。

医者の方も毎度毎度、患者の病状を見抜けるわけがない。

なのに患者は「きっと難病にかかっている」と思いこみ、医者に訴える傾向がある。

 

手塚ブラックジャックが今でも読まれるのは「どこにもいないスーパーヒーロー」だからだろう。実際に神はいないし、あれクラスの名医もいない。

この国の求める医療はどこに向かってるんだろうな、と思うよ。