「腐る通貨」を実現させるなら
この記事を書いてから一年、マイナス金利はすっかり息をひそめ、トランプ一色に。
政府が借金作ってインフラ整備するのが正しいのなら、日本はとうに景気良くなっているだろうに。
さて、前回「腐る通貨」を考えた時には思わず声を荒げてしまったが、今日イメージがわいてきたのでメモしておきたいと思う。
全てのお金に期限を作ってしまえば、当然混乱する。それならば、いくつかのジャンルの通貨を切り替えてしまおう。
そのターゲットは「福祉」だ。
年金。生活保護。こういう場所で配られるお金の、たとえば半分を「期限一年の仮想通貨」にする。
振り込みはマイナンバーカードにチャージされて、専用の(例えばスマホでも)端末接触させると残額がわかる、とすればいい。
名前は新円ポイント(略:新P)とでもしよう。
このままでは当然だが貰う側から、またはそれを支持している政党から文句が出るよな。
そこで「配る新円ポイントは今までの円の2倍貰えることとする」
気前よく配れば文句もそう出るまい。
では、問題になるのは受け取る側、企業だ。一年後に消えてしまう通貨を受け取っても使えるかどうかわからないリスクが高すぎる。つまり期間限定のババ抜きをするようなもので、最終日に渡されたらどうなるのかと。
先物オプションのショールズ式を使えばざっくりした残存価値とか出せるが、そんな面倒なことをいちいち取引のたびにやってるわけにはいかない。
当然企業側としては受け取りに慎重になってしまう。
そこで大技。
ポイントは期限が切れた後は譲渡が不可能になる。
ただし、国、自治体への税金の納付に「円=新P」の同じレートで支払うことができるとするのだ。
こうなるとどうか。期限が切れるギリギリの投げ捨てるポイントを、節税に引き受ける企業が出てくる。個人でも、残ったポイントで納付が可能だ。
各街にいくつか「円=新P」の両替所が立ち、レートが表示される。もちろんネットでの換金も可能だ。通貨ではあるが、リアルマネーではない新Pはユーロ貨幣が存在しなかったときのユーロの位置に近くなる。
買い物に行くたびにレジ前には「本日のレート」が電光掲示され、どちらで払うも自由だ。多少ややこしくはあるが、たぶんすぐ慣れる。
経済促進を狙って何度もくだらないばら撒き方をしてきた〇〇振興券に代わって、好きな時に政府が発行することができる。
印刷にコストをかけることもなく、馬鹿が買い占めて独占することもなく、買いすぎたおバカが泣きを見ることもない。
これは、と思う政策。例えば子育て支援であれ、保障であれ、機動的に予算を組んで流してみればよい。どうせ、一年で使えなくなるポイントだ。
退蔵、死蔵されることなくすべて国に還流してくる。
もちろん、発行しすぎれば税収がポイントまみれになってしまうがな。
全てを切り替えるよりはまだ健全。変動する幅は、1P当たり0.5~0.9くらいの間を変動するのではないかと思うがどうなんだろう。
私よりも賢い人たちに、ぜひ思考実験してもらってその話を聞いてみたい。