不適合者のジャンクヤード

腑に落ちるか落ちないか、読む人次第。拾い物があればご自由に。

「異世界モンスターは国際条約を守るのか問題」をGPTと議論してみた話 ※9000字程

「物語に出てくるガスマスクって、あのゴツい、左右にフィルターが付いたやつだよな?」

そんな何気ない一言から始まった、今回のAIとの与太話。

最初は、SF映画やアニメでおなじみのあのガスマスクが、なぜか古臭い80年代デザインのまま使われ続けているのか、なんていう軽い疑問だったはずでした。AIが「あれは“人間性の喪失”を表現する記号なんですよ」なんて学者ぶった解説を始めたときは、「はいはい、また始まった」くらいにしか思っていなかったかもしれません。

 

ところが、話はここから思わぬ方向へ転がり始めます。「ガスマスク集団=個性を失った虫の群れ」という話から、スターウォーズのストームトルーパー、さらには現実の特殊部隊の「顔を隠す」文化へと連想は飛び火。

自由主義を掲げる社会の兵士が、見た目だけなら独裁国家のそれと変わらないじゃないか、という痛烈な皮肉が飛び出します。もはやガスマスクの話はどこへやら、軍装とイデオロギーを巡る壮大な文化人類学の様相を呈してきました。

 

ここで一度、話は原点に戻ります。「そもそもガスマスク着けてあんなに激しく戦えるわけなくない?」という、至極もっともなツッコミ。

フィルターの寿命、呼吸困難、視界不良……現実の制約を考えれば、物語の描写はあまりにご都合主義。この指摘をきっかけに、対話は新たなステージへ。

異世界のモンスターは、なぜか律儀に国際条約(化学兵器禁止)を守って、肺にしか効かない毒ガスを吐いてくれるのか?」という、爆笑必至の珍説が爆誕します。

このユーモア溢れる疑問が、実は現代の創作文化の核心を突いていました。過激な描写を避けるための「倫理フィルター」、読者が不快にならないようにゾーニングされた「安全な戦場」。

そう、物語の中のガスマスクは、もはや物理的な毒を防ぐものではなく、読者の心を過度な刺激から守るための「精神的な安全装置」だったのです。

 

そして、対話はついに禁断の領域へ。この「フィルター」という概念が、我々の現実社会そのものを覆っているのではないか?という視点。「ペアレンタル・コントロールなんて、まさに子どもにデジタル情報のガスマスクを被せているようなもんじゃないか?」――この一言で、すべてのピースが繋がりました。

 

情報過多の現代社会で、私たちは皆、有害な意見や過激な思想から身を守るため、無意識のうちに「知識の防毒マスク」を装着して生きている。SNSのポリコレも、メディアリテラシーも、すべては安全な空気だけを吸うためのフィルター。

たかがガスマスクの話が、最終的には現代社会の息苦しさを暴き出す壮大なメタファーへと昇華していくこの過程は、まさに思考のジェットコースター。この記事を読めば、あなたのスマホやPCの画面が、少しだけシュールな防毒マスクに見えてくるかもしれませんよ。

 

https://unsuitable.hatenablog.com/entry/2025/10/12/080000